TOP 1つ戻る

ブログ

2026 年 4 月 10 日

ガソリンの値段 ― 補助金より議論を

 アメリカのイラン攻撃によって、船舶のホルムズ海峡通過が難しくなった。中東からの輸送に支障が出て、石油の値段が世界的に急騰。日本は石油の80%を中東から輸入しているので影響は大きく、ガソリン価格は一時200円にもなった。軽油や重油、石油化学製品の原料であるナフサまでもが不足、あるいは売り惜しみかの供給不安になり、食品包材の値上がり、医療用品の供給にまで不足が出ているという。

 政府は懲りもせずに、例によってガソリン価格低下のために補助金を導入したので、私の住まいの近所では1リッターあたり155円に。さらに総理大臣は、今年度末までの石油は確保できているからと、国民に安心するようにとの声明。安心してください、生活は何も変わらないですよ、とのアピールである。要するに、安心して使ってくださいという話だ。

 私見としてこのブログにも何回か書いたが、日本は資源が乏しい。石油、ガス、石炭は98%ほどが輸入である。明らかに国際法違反のアメリカのイラン攻撃のことはここでは論外として、世界のどこかで何かが起きれば日本は相当に不安定になる、そういう国なのだ。今、大切なことは、国民が石油資源を安心して使えるようにすることではなく、この先50年、100年をどのように生きていくか、そのための議論のきっかけを作るべきなのではないか。具体的には資源の輸入に依存する割合を下げること、資源の消費を下げつつも幸せに暮らせる社会を作ることである。
 国民の生活の安定、それはそれで間違ってはいないが、ガソリンに補助金を出したところで本質的な問題は解決しない。事実、円は安くなりつつあるし国債の利回りは高まっている。国の財政は悪くなる。財政が悪化すれば、ますます円の価値も下がる。

 このままでは、石油由来の製品の価格、とりわけ電気料金、ガス料金は補助金が切れた瞬間からさらに上がる。食品も40%が輸入であるからこちらも上がる。国産に見える穀物や家畜も、それを育てる肥料や飼料は輸入の割合が多い。あらゆる物の輸送コストが上がるから消費者が手にする価格も上がる。もはや消費税を数%下げたところで、家計的にはほとんど影響がない。
 多少値段が上がるだけなら節約で乗り切れるが、円の価値が下がり国力が失われると、そんな国にどこがそれらを売ってくれるのか。
 物価の安定には補助金よりもまずは節約。その上で、社会全体で国のあり方、一人ひとりのあり方を議論すべきであろう。
「社会は豊かに、個人は質素に」土光敏夫氏の言葉を思い出す。

代表

関根健夫( 昭和30年生 )